Home > 琉球列島サンゴ環境DNAアトラス > 多良間島・水納島
多良間島(たらまじま)は宮古島の西約67 km、石垣島の東約35 kmに位置する島です。多良間島は、東西約6 km、南北約4.3 kmの楕円形をしています。また、その北方約8 kmには水納島(みんなじま)があります。多良間島は隆起サンゴ礁の島で、島全体は平坦で、島の周囲は砂浜の海岸に囲まれています。海水の透明度は高く、砂地に点在する岩礁を豊かなサンゴ群落が覆っています。宮古島と石垣島の間は100 kmほどの距離があります。多良間島は、その間のサンゴ礁がどのようなものかを知るためのヒントを与えてくれるのではないかと期待し、2025年10月16日・17日の両日にわたり、多良間島で13ヶ所、水納島で5ヶ所のサンゴ礁上の表面海水を採水し、そこに含まれるサンゴの環境DNAを解析しました。(なお、多良間島では目視調査による写真を入手していませんので、環境DNAのデータのみを展示します)。
| 地点番号 | 地点名 | 緯度経度 | 優占属 | 優占度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 水納離崎 | 24.743337, 124.71301 | Acropora (ミドリイシ属) | 22.73 % |
| 2 | 水納 北東 | 24.762475, 124.70635 | Pocillopora (ハナヤサイサンゴ属) | 26.99 % |
| 3 | 水納 北 | 24.780151, 124.67799 | Acropora (ミドリイシ属) | 42.01 % |
| 4 | 水納 北西 | 24.760658, 124.67429 | Acropora (ミドリイシ属) | 36.32 % |
| 5 | 水納 西 | 24.747795, 124.68654 | Acropora (ミドリイシ属) | 35.02 % |
| 6 | 前泊 西 | 24.686412, 124.70214 | Acropora (ミドリイシ属) | 25.22 % |
| 7 | ナガシャギ 礁縁 | 24.678053, 124.68393 | Acropora (ミドリイシ属) | 51.03 % |
| 8 | アウル 礁縁 | 24.672542, 124.6753 | Anacropora (トゲミドリイシ属) / Montipora (コモンサンゴ属) | 24.59 % |
| 9 | 高志波間 礁縁 | 24.657906, 124.66771 | Anacropora (トゲミドリイシ属) / Montipora (コモンサンゴ属) | 43.42 % |
| 10 | 赤団 礁縁 | 24.646403, 124.67064 | Anacropora (トゲミドリイシ属) / Montipora (コモンサンゴ属) | 20.1 % |
| 11 | 曲 礁縁 | 24.636786, 124.67483 | Acropora (ミドリイシ属) | 23.65 % |
| 12 | 前泊 東 | 24.684119, 124.718539 | Acropora (ミドリイシ属) | 26 % |
| 13 | 多良間 北東 | 24.676723, 124.731388 | Acropora (ミドリイシ属) | 49.24 % |
| 14 | 多良間 東 | 24.668721, 124.736149 | Acropora (ミドリイシ属) | 28.92 % |
| 15 | 普天間 港 | 24.642693, 124.735633 | Acropora (ミドリイシ属) | 14.07 % |
| 16 | 上泊 礁斜面 | 24.63486, 124.720997 | Acropora (ミドリイシ属) | 16.97 % |
| 17 | 上泊 礁縁 | 24.629848, 124.708954 | Anacropora (トゲミドリイシ属) / Montipora (コモンサンゴ属) | 28.51 % |
| 18 | 高穴 礁縁 | 24.631276, 124.69101 | Anacropora (トゲミドリイシ属) / Montipora (コモンサンゴ属) | 49 % |
「eDNA解析に基く優占種トップ10」は、多良間島・水納島の両方でミドリイシ(Acropora)とコモンサンゴ(Montipora)が優占属であることを示しています。しかしながら、両者が占める割合は50%ほどで、残りの50%はハナヤサイサンゴ(Pocillopora)、ハマサンゴ(Porites)、ウネカメノコキクメイシ(Paragoniastrea)など、様々なサンゴがそれぞれ一定の割合を占めながら出現しています。このことは、多良間島・水納島のサンゴ礁が、属の異なる多くのサンゴによって構成される、サンゴ多様性の豊かなものであることを示しているようです。
また、島の航空写真に最優占属を重ね合わせた写真を見ると、多良間島西側サンゴ礁の優占属がコモンサンゴ(Montipora)であるのに対して、東側サンゴ礁の優占属がミドリイシ(Acropora)であることが見て取れます。このパターンは、西隣の石垣島の野底半島最先端部で認められた「西側にミドリイシ、東側にコモンサンゴ」というパターンとは、ちょうど逆になっています。琉球列島のサンゴ礁における優占サンゴ属の成り立ちという観点から、ここに記しておきます。