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沖縄島本部町沖 (2023)

沖縄島本部町沖

採水機を装備した水中ロボットを使った最初の実験を海水の透明度が高い慶良間諸島において行い、この方法の有効性を確かめることができました(「準深海 慶良間諸島」を参照)。この調査では船上のモニタリングカメラに映るサンゴ礁の映像から、ドローンを落とした準深海に棲息するサンゴ属をおおよそ推測でき、また環境DNAの解析からそれに相当するサンゴ属のデータが得られました。しかし、サンゴ類の確実な分類同定情報がない限り、この方法の妥当性を示すには幾分問題があります。

この問題を解決するためには、サンゴ専門家ダイバーが実際に準深海のあるサイトで生息するサンゴを目視調査によって確認・同定した場所に水中ドローンを落とし、そこから採水した環境DNAでそのサンゴ属が同定できることを確かめる必要があります。そんな折、琉球大学の波利井佐紀博士とフレデリック・シニガー博士の研究チームが沖縄島本部沖に準深海サンゴの調査研究フィールドを持っており、比較的浅めのシゲオリーフ(水深約40m)ではトゲサンゴ属(Seriatopora)が、また深めのシゲオリーフ(水深約55m)ではアワサンゴ属(Alveopora)が優占しているということを知りました。そこで、2023年4月25日に、両博士の協力を得てこの二つの準深海サンゴ礁から採水調査を実施しました。

なお、本調査で使った水中ドローンはFIFISH W6 Plusで、二つの採水機(500 mL採水可)を搭載しています。(図1)

図1.

本調査で使った水中ドローンはFIFISH W6 Plus. 採水機を2つ搭載している(矢印)

図2.

沖縄島本部沖シゲオ準深海サンゴリーフ、SR1からSR4

図3.

(b) SR2サイトではトゲサンゴが、(e) SR4サイトではアワサンゴが優占している。

図4.

すべてのビデオ画像の著作権は、撮影者に帰属します。使用の際にはOISTとNTTdocomoの両方のクレジットをお願いします。

地点番号 地点名 緯度経度 採水深度 優占属 優占度
SR1 SR1 動画 26.6705533, 127.8659367 40 m Acropora (ミドリイシ属) 88.16 %
SR2 SR2 動画 26.6743733, 127.8654283 45 m Galaxea (アザミサンゴ属) 45.02 %
SR3 SR3 動画 26.6729833, 127.8597867 57 m Anacropora (トゲミドリイシ属) / Montipora (コモンサンゴ属) 26.8 %
SR4 SR4 動画 26.6753483, 127.8612583 57 m Alveopora (アワサンゴ属) 49.95 %

eDNA解析に基く優占属トップ10

eDNA解析に基く優占属トップ10

ノート

2023年4月25日午後に数回のトライアル後、目的とするSR2(図2、図3c)、とSR4サイト(図2、図3e)上に水中ドローンを落とし込むことに成功し、採水を行いました。

採水された環境DNAを解析した結果、SR4サイト(上記ビデオ)からのみアワサンゴ属(Alveopora)に対応するZOTUが優占的に得られました(図4、グラフ)。一方、トゲサンゴ属(Seriatopora)に対応するZOTUはSR2で多数、SR1でもそれなりの数が検出されましたが、SR3SR4サイトでは検出されませんでした。この結果は、我々が開発した水中ドローンを用いた環境DNA検出・同定法が正しく作動することを示すもので、水中ドローンを駆使した準深海サンゴ環境DNA調査の道が開かれました。





Acropora ミドリイシ属 ( Acropora ) Alveopora アワサンゴ属 ( Alveopora ) Anacropora_Montipora トゲミドリイシ属 ( Anacropora ) / コモンサンゴ属 ( Montipora ) Galaxea アザミサンゴ属 ( Galaxea )