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渡名喜島は慶良間諸島の北西、また久米島の東に位置し、この二つの島のほぼ中間にあたります。面積は約3.5km²、海岸線長は12.5kmの小さな島です。慶良間諸島西側海域のサンゴ礁と、久米島東側海域(ハテの浜を含む)のサンゴ礁では、それらを構成するサンゴ類にかなりの違いが見られます。その両者の中間に位置する渡名喜島のサンゴ礁が、どのようなサンゴ類によって構成されているのかを、サンゴ環境DNAを用いて理解することが本調査の第一の目的でした。調査は2025年8月15日に実施しました。調査地点は本文および図に示す1から5の5地点で、地点1と5は島の西側、地点2は北側、地点3は東側、地点4は南側に位置しています。
| 地点番号 | 地点名 | 緯度経度 | 優占属 | 優占度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 渡名喜西 | 26.375047, 127.132271 | Anacropora (トゲミドリイシ属) / Montipora (コモンサンゴ属) | 35.77 % |
| 2 | シュガー浜北西 | 26.38681, 127.136843 | Pocillopora (ハナヤサイサンゴ属) | 37.49 % |
| 3 | あがり浜西 | 26.372197, 127.155104 | Acropora (ミドリイシ属) | 23.71 % |
| 4 | 島尻崎 | 26.353777, 127.152174 | Anacropora (トゲミドリイシ属) / Montipora (コモンサンゴ属) | 27.82 % |
| 5 | ユブク浜西 | 26.357255, 127.136697 | Echinopora (リュウキュウキッカサンゴ属) | 24.8 % |
比較的小さな島であるため調査地点はわずか5地点でしたが、渡名喜島のサンゴ礁を構成するサンゴ類のパターンを、東に位置する慶良間諸島や西に位置する久米島と比較すると、渡名喜島には独特のサンゴ礁構成パターンがあるようです。慶良間諸島と久米島では、ともにミドリイシ属(Acropora)が最優占属の一つですが、その中間に位置する渡名喜島では、島の東側に位置する地点3でミドリイシ属の優占性が認められるものの、それ以外の4地点では必ずしも最優占属とは言えませんでした。コモンサンゴ属(Montipora)が優占的である点は慶良間諸島や久米島と共通していますが、渡名喜島ではハナヤサイサンゴ属(Pocillopora)やコカメノコキクメイシ属(Goniastrea)も優占属として出現しました。さらに、地点3、4、5ではリュウキュウキッカサンゴ属(Echinopora)が優占属の一つとして顕著に認められました。すなわち、渡名喜島のサンゴ礁は、慶良間諸島や久米島とはやや異なるサンゴ属構成をもつサンゴ礁である可能性があります。